アメリカ視察Vol.2【第10号】

皆さんこんにちは。MICHITAL代表のコジマです。お久しぶりです。間が空いてしまい、もう6月になってしまいました。そんな中ですが、備忘録的に書いたシリコンバレー視察Vol.2 をお届けします。
MICHITAL 2025.06.06
誰でも

一日目の振り返り

一日目はシリコンバレーに到着し、現地のVCであるトランスリンクの方とお話をしたり、楽天が運営するラクネストなどを見学させていただきました。(詳しくは、コチラの記事をご覧ください。)

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今週のMICHITALニュースでは、北海道で樽づくりを志すメンバーの日々の活動の様子を配信しております。もしよければ登録の上、更新をお楽しみに!

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寝坊でスタートしたDay2

本当にすみません。2日目は寝坊から一日が始まりました。

普段は寝坊などあまりしないのですが、同行してくださっていた北大職員さんのノックの音で目覚めました。8:30にエントランス集合の約束だったのですが、時計をパッと見ると8:40でした。人生最速で準備をして、ロビーへ全力ダッシュでした。

原因は明確。「行きの飛行機で寝ていなかったこと」です。

日本航空で羽田からサンフランシスコまで行くということ自体にワクワクしており、しかもアメリカ本土初上陸だった僕としては、テンションが上がっており、アドレナリンのせいでほとんど寝ていなかったのです。国際線の中でも寝れるような、豊富な国際経験を積みたいと切に思いました。

PLUG AND PLAYへ

まず、向かったのが「PLAG AND PLAY」という施設です。スタートアップ支援を専門とするグローバルなアクセラレーターおよびベンチャーキャピタル企業です。あのGoogleが育った場所です。

この施設はイラン人のSaeed Amidi氏が所有していたパロアルトにある小さなオフィスビルから始まりました。1980年ごろ、スタートアップ企業に倉庫を貸していました。周辺のスタンフォード大学の生徒を中心に優秀なスタートアップが入居していたそうです。

1981年に入居してきたのがLogitech(日本ではLogicoolの名前で知られています。)です。その後PayPalが入居し、さらにその後Googleが入居した。Logitech、PayPal、Googleと、大成功を重ねたスタートアップがこの小さなオフィスビルから誕生したため、「このビルに入居せれば成功する」という神話が生まれたほどです。貸し倉庫のオーナーとしてこういったことを経験したAmidi氏はスタートアップのインキュベーションをより進めるため、2006年にシリコンバレーでも真ん中に位置するサニーベールでPlug and Plug Tech Centerを創設しました。

PLUG AND PLAYの様子。高層ビルをイメージされるかもしれませんが、意外と二階建てです

PLUG AND PLAYの様子。高層ビルをイメージされるかもしれませんが、意外と二階建てです

エントランスには、オフィスを借りている企業や借りていた企業、協賛/パートナー企業のロゴが一面びっしりでした。ここで思ったことは”日系企業が非常に進出している”ということです。

トヨタ、日産、三井物産、資生堂、三菱電機、パナソニック、カシオ、積水化学、日清製粉などなど数えきれないくらいたくさんの分野の企業がたくさん参入していました。

また、起業して有名になった人や、ここを訪れたVIPは壁にサインをするという習慣があるらしく(アメリカっぽいですね。笑)

廊下はこんな感じの壁が続きます。

廊下はこんな感じの壁が続きます。

数々のサインの中には、現在ChatGPTを展開するOpenAIを創業したサム・アルトマンのものもありました。「同じ場所に彼のような人が立っていて、ここにペンでサインを書いていた」と想像すると、なんだか不思議な感じでした。

サム・アルトマン(ChatGPT創業者)のサイン

サム・アルトマン(ChatGPT創業者)のサイン

NECさんのお話を聞く

日本航空さんから繋いでいただく形で、シリコンバレーで活躍中の日系企業であるNECさんとお話させていただきました。NECさんも、情報収集と起業支援を目的にPLUG AND PLAYに入居されていました。

NECさんは、NECXという事業でスタートアップの創出事業を行っていらっしゃいます。簡単に言うと、優秀なシリコンバレーの経営者とNECが持つ技術や特許をマッチングさせて、新しい事業を効率よく作っていくという”社内ベンチャーのアウトソーシング”といったような取り組みをされています。非常に面白い取り組みだと思いました。

また、NECさんは現地で優秀な技術者・起業家・経営者を発掘するとともに、そういった人材を育てる試みもされています。よく”アントレプレナーシップ教育”と言われるところですが(北大でも度々目にします)、ここについても沢山お聞きすることができました。そのようなお話の中で印象的だったことを2つご紹介しようと思います。

NECの未来をどう思っているのか?
NECは、世界トップレベルの企業として新しいシステムを作り続けています。しかし、最近はAIがコードを書くようにもなってきました。そんな中でNECという企業は何をする企業になるのかお聞きしてみました。NECの方はこうおっしゃっていました。

あくまで僕の持論ですが、よく言われることとして、『AIはシステムを作れても設計することはできない』なんて話があります。顧客とコミュニケーションをしてどんな機能が必要なのか、その目的は何なのか、こういったことを把握することは、AIより人間の方が上手いからそういった仕事は残るという説もある。
でも、10年前はAIがコードなんて書ける訳ない。と言われてきたんです。でも、10年後の今は当たり前になっている。じゃあ、10年後は完全に僕たちの仕事はないかもしれないですよね。(笑)でも、それも一つの答えだと思うんです。その分、テクノロジーが発達したわけですから。テクノロジーを開発する企業として、テクノロジーにある意味で飲まれることは宿命だと思っています。でも、その時に、その時代に必要とされる仕事を見つけてやっていく他ないんだと思っています。

Vol.1でも書きましたが、「積極的淘汰」に対する意識がここでも感じることができました。

アントレプレナーシップ教育について

正直、「起業家を狙って育てる」ことは相当厳しいと思っています。特に、起業のカリキュラムや学校教育の授業に一つといった形では”漬け込み”が足りないと思います。朝から晩まで徹底的に起業家マインドを植え付けることができて初めて、0から1になると思っています。でも、その1が起業というキャリアを選び、100の企業に育っていくかどうかはまた別の支援と運が必要だと感じています。

教育の難しさを真摯に捉えながらも、できることを最大限やっていくその姿勢にすごく感動しました。

Japan Innovation Campusへ

PLUG AND PLAYはあくまで本場アメリカでのスタートアップ支援でしたが(日系企業がたくさん進出していましたが)、次は日系企業が集う「Japan Innovation Campus」にお伺いしました。

日本発のイノベーション創出を目指す研究・教育・産業の融合拠点で、産官学が連携し、最先端技術の研究開発、スタートアップの育成、人材の育成・交流を一体的に推進することを目的として設立されました。経済産業省のプログラムをデベロッパーの森ビルが受託する形で運営されています。

サンノゼの超一等地にあります。空気感が一気に変わるくらいの高級住宅街です

サンノゼの超一等地にあります。空気感が一気に変わるくらいの高級住宅街です

流石は、”森ビル”といったところでしょうか。超高級住宅街の中にありました。看板に「BREAD(パン)」の文字が見えますが、もともとパン屋さんだったらしいです。(景観条例が厳しく、看板の撤去や色の変更などができないようです)

施設の紹介をしていただきながら、見て回っていると北大発スタートアップのLetaraさんのロゴを発見しました。

北海道大学発Letaraを発見!

北海道大学発Letaraを発見!

LetaraのCEOであるランドンさんには、北大テックガレージで樽焼き機を作成していた時からお世話になっていました。まさかアメリカのサンノゼで北大繋がりを感じるのは、遠いような、近いような感じで不思議でした。

その後はピッチを行い、壁打ちまでしていただき、より一層頑張ろうと思いました。

TESLAでラクネストへ

最高の天気の中、天井が全てガラスのテスラでラクネスト(Japan Airlines Venturesの本拠地)へ戻りました。テスラに乗るのは初めてでした。途中に自動運転にドライバーが切り替えてくれたのですが、すごくスムーズで、テクノロジーを感じました。

また、ラクネストに入ってからはJALのCVCの方とお話させていただきました。(実は、この方と出会えたこと、お話しできたことが僕の今回の旅の最高の体験の一つでした。)憧れる大人がまた一人増えました。

tesla model Y

tesla model Y

Day2の学び

日系企業はすごいと思ったDay2でした。

PLUG AND PLAYという、世界を代表するインキュベーション施設に日経大企業がたくさん進出して、アメリカで可能性を発掘しようとしていること。

Japan Innovation Campusという、日系企業のための、日系企業による施設がアメリカの一等地に構えられていること。

「日本の未来を切り拓く」と本気でプレゼンし、少年のように学び続け、戦っている大人がアメリカにいるということ。

日本経済が厳しいとされている中で、力強く可能性に挑み続けている存在をアメリカで見れたことが、僕にとっては心強く思えました。それと同時に、もっと日本へ還元していく仕組みが必要だと感じました。北海道でニッチローカルな樽づくりを志す自分には少し大海すぎたかもしれませんが、今後に間違いなく活かせる体験ができました。

アフタートーク

晩ごはんは、みんなでハンバーガーを食べました。朝寝坊し、朝を抜いており、昼もスケジュール上ちゃんと食べれていなかったので、最高に染みわたりました。

また、もう少し食べれると感じたので、近くのタコス屋さんにも行きました。一人暮らしでもタコスを自炊するほどタコス好きな僕にとって、アメリカの本場タコスはぜひ食べておきたいものの一つでした。

たまたま屋台が出ており、ケバブ風にタコスを作っている、地元感満載の場所があったのでそこでタコスを2つ注文しました。

現置感あふれるタコス屋さん

現置感あふれるタコス屋さん

持ち帰ってホテルで食べました。上のトッピングは取り放題でした。

持ち帰ってホテルで食べました。上のトッピングは取り放題でした。

ライムをだくだくに絞って頬張れば、そこはもう桃源郷。最高の時間でした。(一つ4ドル約600円なので割高感はありましたが、美味しいので良しとします。)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。次はいよいよ、カリフォルニアワインの聖地であるバークレーとナパへ向かいます!乞うご期待。

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